危ない食中毒!ジャーキー作製のためのバクテリア殺菌について〜食中毒を完全回避するために

まず、どのようしたらバクテリアが死滅し、殺菌できるかについて述べます。

医療現場では、乾熱滅菌、ガス滅菌、高圧蒸気滅菌などがあり、アルコールでは一部のバクテリアは死にません。なので、まな板にアルコールをかけたら安全と考えている方は、お弁当を作り時は気をつけてください。プラスチックであっても、熱湯をかけるのが汎用性があると思います。アルコールは医療現場ではあくまで簡易的消毒であり、手に噴霧するアルコールには逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)やグルコン酸クロルヘキシジン(オロナインの薬効成分)というが入っているものもあり殺菌力を強めています。これはまな板には使えません。使うならそのあとに水洗浄が不可欠です。

次に、ガス滅菌は、熱をかけられないプラスティック製器具などの殺菌に使用しますが、エチレンオキサイドは強毒性ガスのため、病院では中和したり、希釈してから廃棄しています。一派家庭では使用できません。

次に、感熱滅菌ですが、これは家庭用オーブンと同じです。160〜170℃では120分間、170〜180℃では60分間。180〜190℃であれば30分間が常法とされています。これはあくまで医療現場での話ですが、一般家庭なら食材が焦げることも考えると170℃くらいなら許容範囲でしょうか。ハンバーグは中まで高温にしなければ危険な食材です。したがって、マクドナルドなどでは製造してから廃棄するまでの時間を厳密に決めています。これは肉に残存するo-157などの病原性大腸菌が残っていたとしても増えない間に属してもらおうというものです。160℃以下なら殺菌できないのかというとそうでもなく、ほとんどのバクテリアはその温度で数分間で死滅します。

100℃にしたら殺菌できるというのは嘘です。乾燥状態では100℃では不十分。水分があると100℃でも強い殺菌が得られます。乾燥した場合と水分がある場合ではことなることを覚えておいてください。では、ジャーキーなどを作る時は何℃なら良いのか問われると、もし私が製品として販売するなら、最後にオーブンで高温にし、さらに密封包装で脱酸素剤をいれ、開封後の賞味期間を1週間以内とし、お弁当に入れる場合などは家庭でさらに熱処理して使用することを明記します。それほど肉は怖いのです。どうしても解体する時に大きな包丁を使いますが、汚染されたところがあると、肉全体に広がります。BSEの場合も同じ問題がありました。

次に高圧蒸気滅菌ですが、圧力鍋のような密閉容器で121℃(およそ2気圧)で殺菌します。薬機法では、115〜118℃で30分、121〜124℃で15分、126〜129℃で10分が殺菌の常法としています。家庭用圧力釜の条件はしりませんが、大気圧で100℃で煮沸するよりも、圧力釜の方が殺菌力が強いです。

 本題です。ジャーキーを作る時に一体どんな条件で乾燥したらいいのでしょうか? 食品乾燥機での乾燥温度は65〜70℃を推奨します。ただし、食品乾燥機で乾燥する前に前処理として高熱処理を施すか、食品乾燥機での乾燥後に高温加熱するかを選択する必要があります。高温加熱法としては、オーブンでの加熱、圧力釜での加熱が考えられます。お肉をフライパンで焼いた場合、殺菌は表面のみに限られ、肉が厚いと中心部分は70〜90℃くらいにしかなりません。薄く乾燥してからオーブンにいれて乾燥する方が実際的と思います。オーブンでの後乾燥は150〜170℃で行いますが、肉が焼けたり変性しない低温で乾燥したい場合は、加熱時間を長くするなどが必要です。薬機法では160℃で2時間となっていますが、130℃、20分くらいでもほとんどの肉表面のバクテリアは死滅していて、寒天培養法では検出できないレベルまで殺菌できています。(あくまで実施1例です)。

 このブログを読めば、もう読者の皆さんは殺菌のプロフェッショナルです。食中毒には十分に留意し、時間肉、ジャーキーなどをお作りください。

最後に一言。冷凍でも、真空でもバクテリアは死にません。増えないだけです。誤った考えをきっぱりとここでただしておきます。酸素がない方が増えやすいボツリヌス菌がいることも、覚えておいてください。

バクテリアと食中毒のお話でした。

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カリカリ

食品乾燥に携わってはや9年。数十年に渡るバイオ研究の経験も活かしたご紹介をしたいと思います。