乾燥、加熱と発がん物質の生成
先日、米国のある州において、コーヒーには発がん物質が含まれる事を明記する様に法改正が行われるとの事。食品はアミノ酸とブドウ糖等の還元糖とがメイラード反応という熱による反応で、美味しさ、香ばしさがでる一方、アクリルアミドなど、生体には歓迎されない物質も同時に生成されます。温度はおよそ120℃辺りからこの物質は生成されるので、通常の乾燥機では問題ありません。アクリルアミドは麦茶にも入っていますが、これは以前は地盤凝固剤として使用され、モノマーが地下水に入り込み、神経毒として問題になった事もありました。アクリルアミドは重合してポリアクリルアミドになり、重合体は紙おむつ等の水分吸収剤として使用されていた事もあります。モノマーに毒性がありますが、発がん性はその可能性があると言うことで、実はエビデンスがはっきりしていません。コーヒーに入っている両は1ppm以下です。浅煎りコーヒーには多くなります。ではコーヒー飲んでがんになるのか。そんな学術的エブデンスは無いにもかかわらず、コーヒー製品に表記する事を義務付けるという、何か変な感じです。タバコは吸えば肺がんリスクが高くなる事が証明されているので、商品に記載されるのは理解できるのですが。
珈琲は飲むことにより、男性では膵臓がんの発生リスクが下がること、また男女では肝がんの発生リスクが下がることが調査で明らかとなっています。このことを考えると、アクリルアミドに対する実態の分からないがんリスクよりも、珈琲を飲んで膵臓がんや肝がんなど、2臓器におけるがんの発生リスクを下げる効果の方が利益があると言えると思います。米国では食品業界はこの様な反論をできていません。この機会に、珈琲にがん抑制効果があるPRができると想うのですが。
私としては、宮崎風焼鳥の製造方法が気になります。一度、焦げで生成される発がん物質のベンツピレンなど、調べてみる必要があるのではないかと思っております。と言うのは、私が大好きでよく食べるからです。ものすごく焦げた焼鳥を食べた事がありますが、舌のしびれが2~3日取れませんでした。これぞ発がん物質入り?
通常、100℃以下の処理では発がん物質は発生しにくいので、食品乾燥にあたってはこの点については心配なく進めて良いと思います。