真空凍結乾燥(フリーズドライ)と食品乾燥機を使った乾燥品の違い 〜 食品乾燥機.com

真空凍結乾燥(フリーズドライ)をただなんとなくやってみたい方が大勢いらっしゃるのですが、その多くは補助金などを使ったもの。自腹でという方は、既にコスパを考えてちょっとそっとでは近づきません(笑)。

フリーズドライは生の素材を冷凍し、風味を保ったまま乾燥させるため、誰がやっても同じ味となります。但し、匂いによっては真空引きで飛んでいくものもあります。特に植物由来の精油に香りを依存しているもの、例えばオレンジなど、フリーズドライによって精油成分も飛んでいき、香りは減弱します。

一方、食品乾燥機を使った乾燥では、その乾燥工程で熱をかけるため、植物であればその工程で変質し、独自の香りが出てきます。乾燥方法によって製造者の個性が出ます。乾燥によって香りが悪くなるものもあれば、乾燥しないと出ない香り、例えて言うなら、生エビと乾燥エビの違いくらい、変化します。トマトもどちらかと言うと、乾燥によって独特の香りが出るようです。勿論、高温で乾燥する場合と、低温でじっくり時間を掛けて乾燥する場合で出来上がりが異なります。緑茶でも、揉むと揉まないとでは味が違います。また、深入りでは長い時間蒸します。これで植物中の成分の変性状態が変わり、風味も異なります。紅茶にしてみれば、これは植物がもつ酵素の反応をりようして発酵させて、赤くなり、独特な香りが出てきます。紅茶も生の葉っぱは緑茶と変わりません。発酵によって変化します。

このように、植物では通常とは異なる厳し状況におかれると細胞が壊れ、細胞内にあって、通常は細胞内の小さな袋の中に入っていて安定していた酵素が漏れ出して、細胞内成分を分解したり、高温になることで細胞内成分が変性し、細胞内で酵素分解が始まったりします。このように細胞内の成分の分解は相互反応によって、新しい香りが出てきます。

食品乾燥はその手法や処理方法によって、出来上がりが全く違うものが出来上がってきます。単にフリーズドライが独自性を出せて商品価値が高いと考えていらっしゃる方、再考の余地があります。フリーズドライでビジネスをする場合、乾燥機は50L~100L(リットル)の水分除去容量以上の製品(3000万円くらい~)、製品単価が高いものでご検討される事をお薦めいたします。これ以下の規模では利益がでません。減価償却は7~10年はみておいたほうが良いと思います。電気代もかかりますし、ポンプオイルの交換も重要です。

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カリカリ

食品乾燥に携わってはや9年。数十年に渡るバイオ研究の経験も活かしたご紹介をしたいと思います。