昔、安い食品乾燥機(ドライフルーツメーカー)を買って使っていると、夜に煙がでてびっくりしました。ヒーターが点きっぱなして高温になり、中のゴミが焦げていました。
食品乾燥機にはヒーターが内蔵されていて、そこは高温になります。電気はONとOFFで制御されるタイプと、ファジー制御で常に一定の温度に保たれているタイプがあります。ファジー制御の乾燥機が壊れる場合には、全くヒーターがつかなくなり温風が出なくなったり、風を送るモーターさえも回らなくなる事が多いため、壊れた場合にヒーターが点きっぱなしで火災になる事は少ないですが、ONとOFFで温度制御するタイプは、そのON/OFF制御がリレーという部品で制御されているものでは、そのリレーが融着してしまうとONのままとなり、ヒーター温度が最高温度になってしまいます。通常はこの様な制御システムを保つ場合にはリレーの融着を想定して、温度フューズなどの安全装置が付けられています。これがない場合では、ヒーターが点きっぱなしになってもそれ程高温にならないように設計してあるかと思います。
ヘヤードライヤーで経験することは、風の吸入口を手で塞ぐと内部が高温になり、安全装置が働いてヒーターが切れるようになっています。食品乾燥機でも、ヘアードライヤーのようなバイメタル方式のリレー様制御の場合には、リレーの溶着やモーターが止まってしまう故障を想定して、安全装置が付けられています。これが国内標準だと思います。
海外製の食品乾燥機はこのあたりが心配で、特に中国製の電気製品ではACケーブルの銅線が細いものが多く、電源コードを曲げ伸ばしすると最後には断線しますが、断線直前にはその部分が高温となり、火災の原因となります。
国内で電気製品を販売する場合にはPSEという規格で検査して販売しますが、これは承認を受けるのではなく、各輸入業者やメーカーが独自にテストするものであり、多くの輸入業者はどの程度まで検査しているのか疑問です。国内の電気製品のメーカーならこの点は大丈夫です。
食品乾燥機を購入する場合には、その製品の安全性を充分に吟味してから購入する事をおすすめします。できれば筐体は樹脂製より金属製が安心できます。樹脂製の場合には、夜中に運転する場合には、設置場所の周りに燃えやすいものが無いか、また万が一の発火時にも延焼しないような場所で運転する事が強く望まれます。
ヒーター式の加湿器や、ホットカーペット、海外製コタツなどの火災死亡事故について調べると、思っていたよりも多く発生している事に驚かされます。ヒーターを使った食品乾燥機もこれらの電気製品と同様に、安全対策には充分に留意したいところです。1階のキッチンで樹脂製の海外製食品乾燥機を昼夜運転。寝室は2階。これはお薦めできません。異常があれば直ぐに分かるところで乾燥機を運転いたしましょう。
食品乾燥機から煙が出たら、是非、直ぐに気づける場所で運転しましょう。