食中毒予防のために〜乾燥肉、ジャーキー作りの注意点 | 食品乾燥機.com

乾燥肉を作り時にちょっと気をつけなくてはいけないことがあります。それは、乾燥中にバクテリアが繁殖しないようにすることです。生ハムなんて良く製品化されているなと思います。特段の殺菌技術があるはず。スタート時の乾燥温度が低いと、水分が多いなかでバクテリアは増殖していきます。 乾燥が進むと繁殖しにくいです。

今回下記の記事を見つけました。サラミは塩漬けしたお肉の乾燥品ですが、どこの段階で食中毒菌の黄色ブドウ球菌が混入したのでしょうか。この菌は死滅するまでの間に強力な毒素を生成します。この毒素は熱耐性が極めて強いため、バクテリアが熱で殺菌されたあとでも通常の料理で毒素は生き残ります。今回の事件の重要なポイントは、サラミをお弁当にいれたら食中毒になっていたかもしれないという恐ろしい話です。黄色ブドウ球菌が生きている状態のままだと弁当の中で繁殖していきます。こんなもの使って弁当屋さんで食中毒が発生したら大問題です。

肉の乾燥前の殺菌の仕方として、表面を高温にする方法があります。蒸気で短時間蒸したり、熱湯につけたりなどです。肉の内部には通常はバクテリアはいません。サラミなどは一種の練り物なので、中にもバクテリアが紛れ込んでいる可能性があります。火で炙っても温度が上がらない箇所が発生するので、全体を殺菌できません。

肉を乾燥させてジャーキーを作る場合、乾燥前の殺菌が重要となります。また、最初は乾燥機の最高温度でスタートし、全体の温度が最高温度に十分に到達し、肉の表面がある程度乾燥したら、温度を下げても良いと思います。高温のまま乾燥できるのであれば、それが推奨されます。出来上がりの乾燥肉を最後に火で炙ったとしても、黄色ブドウ球菌の毒素は不活性化されませんので、最後の火あぶりでは食中毒予防に十分な措置でない事を理解しておいて下さい。特に熱耐性毒素を生合成する黄色ブドウ球菌が注意です。また、塩漬けでは腸炎ビブリオ菌に注意です。これは菌自体は熱に弱いですが、弱い塩漬けでは腸炎ビブリオ菌の増殖最適条件となります。海水中には腸炎ビブリオ菌が普通にいます。したがって、海産物の中途半端な塩漬けは、是非、避けて下さい。この菌は少量摂取しても食中毒は発症しません。増殖予防にはお酢などで酸性にするのも有効な方法です。梅干しはむかしから毒消しと言われていますが、これはシソの抗菌作用と、梅干しの酸性が主役です。お弁当を少し酸性に傾けておく事は食中毒予防に効果があります。コンビニのおにぎりにはポリリン酸が保存剤として含まれます。実はコンビニのおにぎりは気づかないくらい、ほんの少々酸性に傾けてあります。

輸入サラミから基準値を超える黄色ブドウ球菌発見

少しは参考になりましたでしょうか?

 

カリカリ

食品乾燥に携わってはや9年。数十年に渡るバイオ研究の経験も活かしたご紹介をしたいと思います。